こんにちは、STYLE HOUSEです。
夏から秋にかけて多い、台風。
近年の被害状況から、台風が近づくと
万一の断水に備えて水や食料を購入される方が多くなりました。
備蓄はすぐに準備ができますが、家の損傷防止はなかなか対策が取りづらいですよね。
せっかく家を建てるなら、台風でも安心できる家に住んでもらいたい。
そんな想いから、本記事では
「台風」に焦点をあてた家づくりや「耐風等級」に関して
ご説明させていただきます。
目次
1.耐風等級とは?
風が吹くと建物に圧力がかかります。これを風圧力といいます。
耐風等級とは、強風による風圧力に対し、建物の倒壊や損傷のしにくさを示したものです。
耐風等級は、『住宅の品質確保の促進等に関する法律』(品確法)で規定されている住宅性能表示基準の評価項目の1つ。
他に耐震等級、耐雪等級もあります。耐風等級には1と2があり、数字が大きいほど高性能です。
【耐風等級1】
耐風等級1とは、『500年に1度程度の、極めて稀に発生する暴風でも倒壊せず、
また50年に1度程度の、稀に発生する暴風では損傷しない程度』とされています。
『極めて稀に発生する暴風』は、『稀に発生する暴風』の1.6倍の強さだそうです。
耐風等級1は建築基準法を満たすレベルです。
【耐風等級2】
耐風等級2は、耐風等級1の1.2倍の強さの暴風でも、損傷や倒壊しないとされています。
台風に強い家を建てたいなら、よりグレードが高い耐風等級2の評価を受けられる構造にすると、より安心度が高くなりますね。
500年に1度の暴風とは
文中にあった、『500年に1度の暴風』とはいったいどれくらいの強さなのでしょうか。
たとえば東京近郊の住宅地では、高さ10mの位置で平均風速が約35m/s、瞬間最大風速が約50m/s程度になるそうです。
風速10m/sでは傘がさせず、風速20m/sを超えると、何かにつかまらないと立っていられないような状態になるため、風速35m/sは相当な大きさといえます。
500年に1度の暴風は、具体的には昭和34年9月に発生した伊勢湾台風に相当します。
一方、50年に1度の暴風とは、同じ地点で平均風速が約30m/s、瞬間最大風速が約45m/s程度だそうです。
風の強さについて
では、平均風速約35m/sとはどの程度なのか詳しくご説明します。
ニュースなどで、風の強さについて『非常に強い風』と言ったり、『猛烈な風』と言ったりするのを聞いたことがありますよね。
気象庁の定めによると、平均風速35m/s以上は『猛烈な風』と表現され、もっとも強いランクになります。
これは時速に換算すると130km/h程度です。プロ野球のピッチャーが投げる球や、特急列車の最高速度と同じくらいです。
2.強風で損傷しやすい箇所
倒壊や損傷とはどのような状態か
倒壊とは、構造躯体(建物の骨組み部分)が倒壊や崩壊するなど、人命にかかわるような壊れ方のことです。
また損傷とは、構造躯体に大規模な修復が必要な著しい被害のことです。
建物の強度に影響しないような軽度なひび割れや、内装の被害は含まれません。
【損傷しやすい箇所1:屋根】
木造の建物の場合、軒下からの風にあおられて屋根に負荷がかかり、
屋根材がはがれたり、吹き飛ばされたりしてしまうことがあります。
軒(のき)や庇(ひさし)は、外壁から外に向かって突き出している場所のことです。
軒や庇があることで雨風が外壁に直接当たらず、外壁の劣化を抑えられる効果があります。
外壁を守るためには大きく突き出せば良さそうですが、下から吹き上げる風の影響を受けやすくなり、
屋根の被害が発生しやすくなるので注意しましょう。
万が一屋根材がはがれてしまうと、住宅の防水性能が落ち、雨漏り被害の可能性も出てきます。
【損傷しやすい箇所2:壁】
風速35mを超えると、外壁材がはがれるなどの被害が発生しやすいと言われています。
飛散物によっても、サイディング等の外壁材や構造材に穴が開くことがあります。
穴からは雨水や強風が吹き込み、屋根を外側に引っ張る風圧が増大して、
屋根そのものが飛んでしまうなどの大きな被害がでる可能性もあります。
【損傷しやすい箇所3:ドアや窓】
ドアや窓といった建物の開口部にも注意が必要です。
窓ガラスは、風によってガタガタ音がなることはあっても、強風だけで割れることはほとんどありません。
しかし、飛来物がぶつかると簡単に割れてしまいます。
また暴風の中でドアを開けると、風が勢いよく家に入り込み、
巻き上げる力によって屋根が吹き飛ぶなどの大きな被害につながることもあります。
3.台風に強い家
最後に、台風に強い家づくりの際に検討すべきポイント4つを解説します。
①台風に強い屋根をつくる
強風では屋根に被害がでやすいとご紹介しました。
台風に強い屋根をつくるには、屋根の形状と屋根材の耐風性能、防水性能が大切です。
屋根の形状は、風の抵抗を受けにくい勾配の少ないタイプが強いと言われます。
一方、片流れなどの風圧力が集中しやすい形状は、風に弱いとされています。
屋根材の耐風性能で求められるのは、強風でもはがれたり変形したりしない頑丈さです。
また工法も重要で、ズレたり飛散したりしないようにしっかりと固定しなければなりません。
防水性能の面では、台風ではさまざまな角度から強い風や雨が吹きつけてくるため、
建物上部を隙間なく覆うことができる屋根材と工法を選ぶことが大切です。
また、経年劣化により屋根材に塗装の剥がれやひび割れが出来ると、そこから水が浸入し、建物全体を劣化させる可能性があります。
メンテナンスをしっかりと行うことも重要ですね。
②窓には雨戸やシャッターを設置する
強風による飛来物から窓ガラスを守るために、窓にはできる限り雨戸やシャッターを設置しましょう。
家にはたくさんの窓があり、全ての窓への設置は現実的に難しいかもしれません。
その場合は、窓に飛散防止フィルムを貼ることや、防犯合わせガラスを採用することでも、割れた際の破片の飛び散りを防ぐことができます。
また台風の際は、カーテン等をしっかり閉め、窓際では寝ないように注意しましょう。
③立地条件にも気をつける
台風の際、障害物のない海沿いのほうが内陸部よりも風が強く、大きな風速が観測されることが多くあります。
台風に強い家を建てたいなら、立地条件も重要です。市街地のような周りに建物が多く建っている場所では、
近隣の建物が盾となり、直接風を受けるダメージは小さくなります。
一方、海沿いや開けた田畑、ポツンと建つ民家などは風を受けやすくなります。
こういった立地では、昔から防風林などで建物を防御していました。現代では防風フェンスや柵などがあります。
台風に強い家づくりでは、立地条件を選ぶことや、その立地に適した対策をしておくことが大切ですね。
④『平屋』も検討してみる
1階建ての『平屋』は、台風に強いと言われています。その理由は、建物の低さとシンプルなつくりにあります。
2階建てや3階建てでは風圧力を受ける面積が広く、その分強度が必要になります。
その点平屋は、風圧力を受ける面積が小さく、下から吹き上げる風の影響も受けにくいというメリットがあります。
バリアフリーが実現しやすく、ワンフロアで生活が完結できる利便性からも近年注目されています。
台風に強い家を建てたいなら、平屋を検討することもおすすめします。
4.まとめ
ここ数年自然災害が多く、台風も大型化している印象があります。
そんな中、家を建てるなら、地震だけでなく台風にも強い家を建てたいですよね。
今回は「耐風等級」とはなにかご説明し、強風で損傷しやすい箇所や、台風に強い家づくりのポイントを解説しました。
大阪で新築一戸建て・建売・分譲地を検討している方は、是非この記事を参考にしていただけると嬉しいです♪
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